開業や起業の準備をしていると、手続きや資金計画、商品・サービスの準備、集客方法の検討など、やるべきことが次々と出てきます。

限られた時間の中で多くの業務を進めていると、ぶつかりやすい壁の一つが、

「自社のホームページをどうするか?」

という問題です。

ホームページを制作会社に依頼する場合は費用がかかります。一方で、費用を節約するために自分で制作しようとすると、今度は制作するための時間が必要になります。

開業前の貴重な時間や資金を、ホームページ制作に使うべきか悩む人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、開業時に本当にホームページが必要なのか、判断するためのポイントを考えていきます。

まずは「なぜホームページが欲しいのか」を考えよう

開業時に限らず、事業を続けていくうえで「無駄な経費を減らすこと」は重要なテーマです。

そのため、何となく周りに合わせてホームページを作るのではなく、まずは、

「自分の事業にホームページが必要な理由は何か?」

を考える必要があります。

業種や集客方法によっては、開業時点ではホームページの優先順位がそれほど高くないケースもあります。

まずはSNSや紹介などを活用して集客を行い、事業が軌道に乗って資金に余裕が出てから、制作会社へホームページ制作を依頼する方法もあります。

また、時間に余裕がある場合は、無料または低価格のホームページ作成サービスを使って、自分で制作する方法も選択肢の一つです。

大切なのは、周りの会社が持っているからという理由だけで制作するのではなく、開業時の自分の事業に本当に今すぐ必要なのかを判断することです。

ホームページが必要かどうかを判断する材料

ホームページの必要性を判断するうえで、最初に考えたいのが、

「誰が自社のホームページを見るのか」

という点です。

ホームページを見る相手によって、掲載する内容や必要性は変わります。

そのため、まずは自分の事業が企業向けのBtoBなのか、一般消費者向けのBtoCなのかを確認してみましょう。

BtoBの事業はホームページの必要性が高い

企業を相手に商品やサービスを提供するBtoBの事業では、ホームページの必要性が比較的高いといえます。

企業が新しい取引先を検討する際には、商談や契約を行う前に、その会社について情報を確認することがあります。

例えば、次のような情報です。

  • どのような事業を行っている会社なのか
  • どのような商品やサービスを提供しているのか
  • 会社の所在地や連絡先
  • これまでの実績
  • 信頼できる会社なのか

こうした情報を確認する場所の一つが、企業の公式ホームページです。

ホームページがないからといって、必ず取引ができないわけではありません。しかし、会社情報やサービス内容を確認できる場所がないことで、相手に不安を与えてしまう可能性があります。

そのため、企業間取引が中心の事業では、開業時から会社情報やサービス内容を掲載した簡単なホームページを用意しておくと安心です。

BtoCの事業は集客方法によって判断する

一般消費者を相手にするBtoCの事業では、業種や集客方法によってホームページの必要性が変わります。

特に美容室、整体院、飲食店、ジムなどの地域密着型店舗では、開業時から必ずしも本格的なホームページを用意する必要はありません。

開業当初は、次のような方法でも情報を発信できます。

  • InstagramなどのSNS
  • Googleビジネスプロフィール
  • LINE公式アカウント
  • ポータルサイト

店舗の写真や料金、営業時間、所在地、サービス内容などをSNSやGoogleビジネスプロフィールで発信できるのであれば、まずはそちらに力を入れる方法もあります。

ホームページ制作に大きな費用をかけるよりも、SNSの運用や広告、店舗情報の充実に予算を使ったほうが、開業直後の集客につながる場合もあります。

ただし、通販を行うECサイトや、詳しいサービス説明が必要な業種については、BtoCであっても開業時からホームページが必要になることがあります。

地域店舗でもホームページが必要になるケース

地域密着型の店舗では、ホームページの優先順位が低い場合もありますが、開業時から用意したほうがよいケースもあります。

その一つが、ホームページを集客や予約の受け皿として活用したい場合です。

例えば、SNSで店舗を知ってもらい、ホームページで詳しいサービス内容を確認してもらい、そのまま予約につなげる流れを作ることができます。

集客導線の例は、次のとおりです。

SNSや広告で店舗を知ってもらう

ホームページでサービス内容や料金を確認してもらう

予約システムから来店予約をしてもらう

このような流れを作りたい場合は、ホームページを用意する意味が大きくなります。

予約システムの中には、自社ホームページへ予約フォームを設置するシステムがあります。

そのため、最初から高額なホームページを制作するのではなく、SNSと低価格なプランで制作できるホームページを組み合わせてスタートし、必要になった段階でホームページを追加する方法もあります。

ホームページの必要性は「お客様」と「目的」で判断しよう

開業時にホームページが必要かどうかは、すべての事業者に共通する答えがあるわけではありません。

判断するときは、次の二つを考えてみましょう。

「自分のお客様は誰なのか」

「ホームページを何のために使うのか」

企業との取引で信用を得るために使うのか、サービス内容を詳しく説明するために使うのか、予約を受け付けるために使うのかによって、必要性は変わります。

ホームページは、作ること自体が目的ではありません。

自分の事業に必要な役割を明確にしたうえで、開業時に制作するのか、事業が軌道に乗ってから制作するのかを判断しましょう。